すさみ町指定文化財 長沢芦雪の「梅月図」と長沢芦州「十六羅漢図」

円山応挙(1733~1795)は、江戸時代中期に活躍した絵師で、近代日本絵画への展開の素地を築いたと言われています。その円山応挙の一番弟子であった長沢芦雪が描いた掛け軸「梅月図」と長沢芦州が描いた「十六羅漢図」(いずれもすさみ町指定文化財)がすさみ町の持寶寺(じほうじ)に保存されています。

長沢芦雪の「梅月図」 長沢芦州の「十六羅漢図」 
長沢芦雪の「梅月図」 / 長沢芦州の「十六羅漢図」

長沢芦雪の梅月図と長沢芦州の十六羅漢図(持寶寺蔵) (すさみ町誌より)

 長沢芦雪が串本の無量寺へ師円山応挙の絵を届けそこで自分も多くの絵を書いて帰路周参見の東泉庵に泊り、萬福寺の十六枚の襖に絵を書いたという記録が萬福寺に残っている。
 時は天明7年(1787年)のことである。
 しかしその襖絵は明治中期以後全く行方が解らなくなっており、わずかに東泉庵(後庵)山本家に子犬の絵が一幅残っているだけであった。
 ところが、昭和45年、防地持寶寺で古い倉をとりこわすと長持の中から大きな長方形の木箱が出てきた。
 蓋に諸事掛物函白田庵麟道新添とあり、古画于時天保五年改元とあり、新画芦雪之画寒山拾得と書いている。
 麟道和尚は持寶寺中興の住職で後に隠居した所が白田庵である。
 ところが箱の中には表書きの寒山拾得の絵は見当たらず芦雪画の梅月図と芦州の十六羅漢図が発見された。
 持寶寺では梅月図は掛軸に、十六羅漢図は八双の屏風に仕立てている。
 すさみ町教育委員会は昭和51年度に梅月図を町指定文化財第2号、十六羅漢図は第3号にそれぞれ指定している。
 なお長沢芦雪(1754~1799)は山城の人で円山応挙の弟子として一番の人であり、安芸の宮島の「宮島八景図」「山姥図」は有名で国の重要文化財に指定されている。
 また芦州(1766~1847)は城州淀の藩士で芦雪の義子であり弟子である。

龍雲山持寶寺

禅宗臨済宗妙心寺派。檀家数は約250。本尊は阿弥陀如来。芦雪の「梅月図」や芦州の「十六羅漢図」のほかに、国学者であり紀州藩士であった加納諸平(かのうもろひら。1806 ~1857)らが藩からの命により紀南地方の調査に来た時の寄せ書一幅もある。

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