○すさみ町情報公開条例
平成14年12月20日
条例第32号
第1章 総則
(目的)
第1条 この条例は、地方自治の本旨に即した町政を推進する上において、町民の知る権利を尊重し、公文書の開示を請求する町民の権利を明らかにするとともに、情報公開の総合的な推進に関し必要な事項を定めることにより、町政に関し町民に説明する責務が全うされるようにし、公正で民主的な町政の推進に資することを目的とする。
(1) 実施機関
町長、教育委員会、選挙管理委員会、監査委員、農業委員会、固定資産評価審査委員会及び議会をいう。
(2) 公文書
実施機関の職員が職務上作成し、又は取得した文書、図画及び電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られた記録をいう。以下同じ。)であって、当該実施機関の職員が組織的に用いるものとして、当該実施機関が保有しているものをいう。ただし、次に掲げるものを除く。
ア 町の刊行物、書籍その他不特定多数の者に販売することを目的として発行されるもの
イ 図書館その他これに類する本町の施設において、一般の利用に供することを目的として管理されているもの
(解釈及び運用)
第3条 実施機関は、この条例の解釈及び運用に当たっては、公文書の開示を請求する権利を十分尊重するとともに、個人に関する情報がみだりに公にされることのないよう、最大限の配慮をしなければならない。
第2章 公文書の開示
(1) 町の区域内に住所を有する者
(2) 町の区域内に事務所又は事業所を有する個人及び法人その他の団体
(3) 町の区域内に存する事務所又は事業所に勤務する者
(4) 町の区域内に存する学校に在学する者
(5) 前各号に掲げるもののほか、実施機関が行う事務事業に利害関係を有すると認められるもの
(1) 氏名及び住所
(2) 公文書を特定するために必要な事項
(3) 前2号に掲げるもののほか、実施機関が定める事項
2 実施機関は、開示請求書に形式上の不備があると認めるときは、開示請求をしたもの(以下「開示請求者」という。)に対し、相当の期間を定めて、その補正を求めることができる。この場合において、実施機関は、開示請求者に対し、補正の参考となる情報を提供するよう努めなければならない。
(公文書の開示義務)
第7条 実施機関は、開示請求があったときは、開示請求に係る公文書に次の各号に掲げる情報(以下「非開示情報」という。)のいずれかが記録されている場合を除き、開示請求者に対し、当該公文書を開示しなければならない。
(1) 法令又は条例(以下「法令等」という。)の定めるところにより、又は実施機関が法律上従う義務を有する各大臣その他国の機関の指示により、公にすることができないとされているもの
(2) 個人に関する情報(事業を営む個人の当該事業に関する情報を除く。)であって、特定の個人を識別することができるもの(他の情報と照合することにより、特定の個人を識別することができることとなるものを含む。)又は特定の個人を識別することはできないが、公にすることにより、なお個人の権利利益を害するおそれがあるもの。ただし、次に掲げる情報を除く。
ア 法令等の規定により、又は慣行として公にされ、又は公にすることが予定されている情報
イ 人の生命、健康、生活又は財産を保護するため、公にすることが必要であると認められる情報
ウ 当該個人が公務員(国家公務員法(昭和22年法律第120号)第2条第1項に規定する国家公務員及び地方公務員法(昭和25年法律第261号)第2条に規定する地方公務員をいう。)である場合において、当該情報がその職務の遂行に係る情報であるときは、当該情報のうち、当該公務員の職及び当該職務遂行の内容に係る部分
(3) 法人その他の団体(国及び地方公共団体を除く。以下「法人等」という。)に関する情報又は事業を営む個人の当該事業に関する情報であって、次に掲げるもの。ただし、人の生命、健康、生活又は財産を保護するため、公にすることが必要であると認められる情報を除く。
ア 公にすることにより、当該法人等又は当該個人の権利、競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあるもの
イ 実施機関の要請を受けて、公にしないとの条件で任意に提供されたものであって、法人等又は個人における通例として公にしないこととされているものその他の当該条件を付することが当該情報の性質、当時の状況に照らして合理的であると認められるもの
(4) 公にすることにより、人の生命、身体、財産又は社会的な地位の保護、犯罪の予防、犯罪の捜査その他公共の安全と秩序の維持に支障が生ずるおそれがあるもの
(5) 町の機関並びに国の機関及び他の地方公共団体の内部又は相互間における審議、検討又は協議に関する情報であって、公にすることにより、率直な意見の交換若しくは意思決定の中立性が不当に損なわれるおそれ、不当に町民の間に混乱を生じさせるおそれ又は特定の者に不当に利益を与え若しくは不利益を及ぼすおそれがあるもの
(6) 町の機関又は国の機関若しくは他の地方公共団体が行う事務又は事業に関する情報であって、公にすることにより、次に掲げるおそれその他当該事務又は事業の性質上、当該事務又は事業の適正遂行に支障を及ぼすおそれがあるもの
ア 監査、検査、取締り又は試験に係る事務に関し、正確な事実の把握を困難にするおそれ又は違法若しくは不当な行為を容易にし、若しくはその発見を困難にするおそれ
イ 契約、交渉又は争訟に係る事務に関し、国又は地方公共団体の財産上の利益又は当事者としての地位を不当に害するおそれ
ウ 調査研究に係る事務に関し、その公正かつ能率的な遂行を不当に阻害するおそれ
エ 人事管理に係る事務に関し、公正かつ円滑な人事の確保に支障を及ぼすおそれ
オ 国又は地方公共団体が経営する企業に係る事業に関し、その企業経営上の正当な利益を害するおそれ
(部分開示)
第8条 実施機関は、開示請求に係る公文書に非開示情報が記録されている場合において、当該部分とそれ以外の部分を容易に区分して分離することができるときは、前条の規定にかかわらず、開示請求者に対し、当該部分を除いた部分につき開示しなければならない。ただし、当該部分を除いた部分に有意の情報が記録されていないと認められるときは、この限りでない。
(公文書の存否に関する情報)
第10条 実施機関は、開示請求に対し、当該開示請求に係る公文書が存在しているか否かを答えるだけで、非開示情報を開示することとなるときは、当該公文書の存否を明らかにしないで、当該開示請求を拒否することができる。
(開示請求に対する措置)
第11条 実施機関は、開示請求に係る公文書の全部又は一部を開示するときは、その旨の決定をし、開示請求者に対し、その旨並びに開示を実施する日時及び場所を書面により通知しなければならない。ただし、開示請求があった日に、当該開示請求に係る公文書の全部を開示する旨の決定をし、当該公文書を開示するときは、口頭により通知することができる。
2 実施機関は、開示請求に係る公文書の全部を開示しないとき(前条の規定により開示請求を拒否するとき及び開示請求に係る公文書を保有していないときを含む。)は、開示をしない旨の決定をし、開示請求者に対し、その旨を書面により通知しなければならない。
2 前項の規定にかかわらず、実施機関は、事務処理上の困難その他正当な理由があるときは、開示請求があった日から60日以内に限り延長することができる。この場合において、実施機関は、開示請求者に対し、速やかに、延長の理由及び決定を行える時期を書面により通知しなければならない。
(1) この項を適用する旨及びその理由
(2) 残りの公文書について開示決定等をする期限
(第三者保護に関する手続)
第13条 実施機関は、開示請求に係る公文書に町及び請求者以外のもの(以下「第三者」という。)に関する情報が記録されている場合は、開示決定等をするに当たり、必要があると認めるときは、当該第三者に意見書を提出する機会を与えることができる。
(1) 文書又は図画に記録されている情報 当該文書又は図画の閲覧又は写しの交付
(2) 電磁的記録に記録されている情報 当該電磁的記録の種別、情報化の進展状況等を勘案して実施機関が定める方法
2 実施機関は、閲覧の方法による公文書の開示にあっては、当該公文書の保存に支障を生ずるおそれがあると認めるときその他相当の理由があるときは、前項の規定にかかわらず、その写しにより、これを行うことができる。
(費用負担)
第15条 公文書の写しの交付を受けるものは、当該写しの作成及び送付に要する費用を負担しなければならない。
第3章 救済の手続
(審理員による審理手続に関する規定の適用除外)
第15条の2 開示決定等又は開示請求に係る不作為に係る審査請求については、行政不服審査法(平成26年法律第68号)第9条第1項の規定は、適用しない。
(審査請求があった場合の手続)
第16条 実施機関は、開示決定等又は開示請求に係る不作為について、審査請求があったときは、次の各号のいずれかに該当する場合を除き、速やかに、すさみ町情報公開審査会に諮問し、当該裁決を行わなければならない。
(1) 審査請求が不適法であり、却下する場合
(2) 裁決で、審査請求の全部を認容し、当該審査請求に係る公文書の全部を開示することとする場合(第三者から当該公文書の開示について反対の意思を表示した意見書が提出されている場合を除く。)
(すさみ町情報公開審査会)
第17条 この条例によりその権限に属することとされた事項を行うため、すさみ町情報公開審査会(以下「審査会」という。)を置く。
3 審査会は、委員5人以内で組織する。
4 委員は、識見を有する者のうちから町長が委嘱する。
5 委員の任期は3年とし、補欠委員の任期は、前任者の残任期間とする。ただし、再任を妨げない。
6 委員は、職務上知り得た秘密を漏らしてはならない。その職を退いた後も、同様とする。
7 前各項に定めるもののほか、審査会の組織及び運営に関し必要な事項は、規則で定める。
(審査会の調査権限)
第18条 審査会は、必要があると認めるときは、諮問をした実施機関(以下「諮問実施機関」という。)に対し、審査請求のあった開示決定等に係る公文書の提示を求めることができる。この場合においては、何人も審査会に対し、その提示された公文書の開示を求めることができない。
2 諮問実施機関は、審査会から前項の規定による求めがあったときは、これを拒んではならない。
3 審査会は、必要があると認めるときは、諮問実施機関に対し、審査請求のあった開示決定等に係る公文書に記録されている情報の内容を審査会の指定する方法により分類し、又は整理した資料を作成し、審査会に提出するよう求めることができる。
5 審査会は、審査請求人等から申出があったときは、当該審査請求人等に口頭で意見を述べる機会を与え、又は意見書若しくは資料の提出を認めることができる。
第4章 雑則
(他の制度との調整)
第19条 この条例は、他の法令等により、公文書を閲覧し、若しくは縦覧し、又は公文書の謄本、抄本その他の写しの交付を受けることができる場合においては、適用しない。
(情報提供施策の充実)
第20条 実施機関は、その保有する公文書の開示の総合的な推進を図るため、その保有する情報が適時に、かつ適切な方法で町民に明らかにされるよう、町民に対する情報の提供に関する施策の充実に努めるものとする。
(公文書の管理)
第21条 実施機関は、この条例の適正かつ円滑な運用に資するため、公文書を適正に管理するものとする。
(公文書の目録等)
第22条 実施機関は、公文書の目録等公文書を検索するための資料を作成し、一般の利用に供するものとする。
(運用状況の公表)
第23条 町長は、毎年度1回、この条例の規定に基づく情報公開制度の運用状況を取りまとめ、公表するものとする。
附則
(施行期日)
1 この条例は、平成15年4月1日から施行する。
2 この条例は、次に掲げる公文書について適用する。
(1) 平成15年4月1日以降に作成し、又は取得した公文書
附則(平成28年条例第13号)
(施行期日)
1 この条例は、行政不服審査法(平成26年法律第68号)の施行の日(平成28年4月1日)から施行する。
(経過措置)
2 行政庁の処分その他の行為又は不作為についての不服申立てであってこの条例の施行前にされた行政庁の処分その他の行為又はこの条例の施行前にされた申請に係る行政庁の不作為に係るものについては、他の条例等に特別の定めがある場合を除き、なお従前の例による。